生麹(こうじ)と乾燥麹(こうじ)の作り方
生麹(なまこうじ)と乾燥麹(かんそうこうじ)の違いは、水分量です。
生麹には25~30%の水分が含まれており、乾燥麹には10%以下の水分が含まれています。
生麹はの特徴は、麹菌が生きているために雑菌に弱く、自己発酵による品質の劣化が進みやすいこと。
ですので、生麹の保存期間は短めです。
一方乾燥麹は、生麹と違い、使う際に水で戻す手間がありますが、雑菌に強く自己発酵も抑えることが可能なので、長期保存する場合は乾燥麹の方が便利と言えます。
生麹は、乾燥麹に比べて表面がふっくらとし、酵素パワーも強いのが特徴です。
また、生麹のほうが乾燥麹より香りがよく、みそや麹甘酒などを仕込んだとき、発酵が早くおいしくできるといわれます。 味や栄養価は生麹も乾燥麹も差はないので、作る料理によって使い分けするといいですね。
生麹(なまこうじ)の作り方
日本の伝統的な食文化「発酵」の始まりとされている「生麹」。
生麹は味噌や醤油、みりんなどの原料となっており、日本の食卓と生麹はとても深い関係性を持っています。
生麹があれば、塩をまぜて塩麹(しおこうじ)、醤油とまぜて醤油麹(しょうゆこうじ)などと、色々な調味料を作ることができます。
(材料)
- 米
- 種麹
(道具)
- ザル
- しゃもじ
- 清潔な布や毛布
- 蒸し器
- トレイ
- 温度計
- こたつなどの保温器具
(作り方)
1.まず、白く濁らなくなるまで米を洗います。
そのあと水を切り、きれいな水に浸け、しっかりと水切りをします。
2.米を蒸し器で蒸します。
蒸し終わったら米の硬さを確認して下さい。
米の芯がなくなり、普段食べるご飯よりだいぶ硬めの状態に蒸し上がったら完了です。
3.米を冷まして種麹(たねこうじ)をまぶします。
米が蒸し上がったらトレイに広げ、温度計を使って35度から45度まで冷まします。
冷めたら米全体にまんべんなく種麹を撒き、すり込むようによく混ぜ合わせてください。
4.米を、清潔な布や毛布で包んで保温します。
こたつや、保温ケースなどに入れて、温度を35度から40度に保ちます。
5.定期的に米の温度や状態を確認しながら手入れします。
米のかたまりをひと粒ずつバラバラにほぐしたら再度保温します。
米の温度が下がらないように手早く済ましてください。
6.麹菌(こうじきん)の菌糸が米に根付いたら生麹の完成です。
菌糸(菌類の体を形作る非常に細い糸状の細胞や細胞の列)がくっついて米が板状になり、簡単に手でほぐれるのが生麹完成のサインです。
このように、麹(こうじ)を作るには、温度管理や時間管理が重要なので少し手間がかかりますが、自家製の米麹(こめこうじ)は栄養価が高くてとても美味しいですよ。
ぜひ試してみてください。
乾燥麹(かんそうこうじ)の作り方
乾燥麹(かんそうこうじ)と生麹の(なまこうじ)の違いは水分量です。
上記の工程によってできた生麹は、なるべく早く使い切り、それ以降は冷蔵庫で3週間程度、冷凍庫で3か月程度、保存できます。
さらに日持ちさせるために乾燥麹(かんそうこうじ)として保存するためにはドライヤーの冷風を15分ほどあてるとよいでしょう。
その他、乾燥麹を作る方法として、オーブンや天日干しなどの方法もあります。
乾燥させることで長期保存ができる乾燥麹ですが、高温多湿の場所に保存すると、麹(こうじ)の味や品質が落ちる恐れがあります。
乾燥麹は冷暗所や、夏場は冷蔵庫など、涼しい場所に保存するのがベスト。
乾燥させているため水分を吸収しやすくなっていることから、水分を吸収しないよう、乾燥麹は密封容器で保存します。乾燥麹の保存期間は約3〜5か月程度です。
「生麹(なまこうじ)」と「乾燥麹(かんそうこうじ)」まとめ
生麹と乾燥麹では保存期間、香りや甘味などに違いがあります。
生麹は、乾燥麹よりも甘味あり、水で戻す手間はありませんが保存期間が短く、また、乾燥麹に比べるとスーパーで手に入りにくいことがあります。
乾燥麹は、長期常温保存が可能で、比較的スーパーで手に入りやすい一方で、生麹よりも発酵活性が弱い点がデメリットでもあります。
生麹と乾燥麹のどちらを選ぶかは、作りたいものや好みによって異なります。
甘味や風味が重要なものには生麹、保存性や扱いやすさが重要なものには乾燥麹を使うなど、用途によって使い分けるのもいいですね。
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