薄口醤油のほうが塩分が高いってホント?
「薄口醤油ってあっさりしてるし、きっと塩分も少ないんでしょ?」
そんなふうに思っている方、多いのではないでしょうか?
実はその“思い込み”こそが、醤油の奥深さ。
結論から言えば、薄口醤油のほうが濃口醤油より塩分は高いのです。
今回は、そんなちょっと意外な「醤油の真実」に迫ってみましょう。

まずは基本!濃口と薄口の違い

スーパーで見かける醤油の大半は「濃口醤油」と「薄口醤油」。
どちらも料理によく使われますが、味や香り、用途が大きく異なります。
醤油の種類 | 色 | 香り | 味 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
濃口醤油 | 濃い茶色 | 香ばしい | コク深くまろやか | 煮物・炒め物・刺身など万能型 |
薄口醤油 | 淡い茶色 | 軽やか | キレがありすっきり | 吸い物・だし巻き・京料理など |
濃口は全国的に主流の“ふだん使い”の醤油で、香りと色がしっかり。
薄口は関西や京料理に多く使われ、見た目の色を薄く仕上げたい料理にぴったりです。
薄口醤油の塩分が高いワケ

濃口醤油の塩分は、一般的に約16%前後。
一方、薄口醤油の塩分は約17%前後と言われています。
なぜこのような逆転が起こるのかというと、それには製法上の理由があります。
薄口醤油は、色と香りを控えめにするために発酵の期間を短く、加熱も控えめに作られるため、旨味や香りのボリュームが出にくくなります。
そこでその“物足りなさ”を補うために、塩分をやや多く加えて味を締めるというわけです。
つまり、あっさりとした味わいを実現するために、見た目や香りは薄く、塩分だけはしっかりという構造になっているのです。
「じゃあ、塩分の高い薄口醤油は体に悪いの?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、実際の料理で使う量を比べてみると、必ずしもそうとは言い切れません。
なぜなら、薄口は少量でしっかり味がつくので、使う量が減る傾向にあります。
また、料理の色や出汁の風味を生かすために使われることが多く、トータルの塩分量が抑えられることもあります。
例えば、吸い物やだし巻き卵など、繊細な料理に濃口を使うと、色が濃くなりすぎて「おいしそうに見えない」ことも。
味だけでなく、見た目の美しさにも気を配る日本料理ならではの発想です。
知っておきたい「醤油選び」のヒント
近年は、減塩醤油やうす味調整タイプの醤油も増えています。
「健康のために減塩したいけど、味は落としたくない…」という人は、こうしたタイプを活用するのもおすすめです。
また、地方の小さな蔵がつくる“天然醸造”の醤油には、塩分が控えめでも旨味や香りがしっかり感じられるものもあります。
自分の料理スタイルや、体調、好みにあわせて「濃口と薄口を使い分ける」「料理ごとに合わせる」といった工夫が、日々の食卓をもっと豊かにしてくれます。
このように、醤油における「薄口」「濃口」とは、“塩分の濃さ”ではなく、“見た目の色”や“風味の軽さ”を表す意味も含まれています。薄口のほうが塩分は高めというのは意外かもしれませんが、日本料理の美意識と味わいのバランスがそうさせているのです。
「なんとなく」で使うのではなく、今日からは“味と塩分のバランス”を意識してみませんか? あなたの料理が、より美味しく、より健康的になるきっかけになるかもしれません。
商品紹介

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