玉ねぎ麹ができるまで~微生物の世界をのぞいてみよう~
和洋中どんな料理にも使えて、自宅でも簡単に作ることができる今注目の万能調味料「玉ねぎ麹」。
発酵中の玉ねぎ麹は、冷蔵庫を開けると独特の甘い香りを漂わせます。
「玉ねぎ麹」は、料理にひとさじ加えるだけで、驚くほどコクが出る魔法のペースト。
ではこの玉ねぎ麹、発酵中の瓶の中では一体何が起きているのでしょうか。
今回は、私たちの目には見えない「微生物たち」のしごとによって作られている「玉ねぎ麹」の発酵の裏側をのぞいてみましょう。
微生物の主役「麹菌」とは?

玉ねぎ麹に使う材料は、玉ねぎ、米麹、塩、ととてもシンプル。
この中で“発酵”の主役を担うのが「米麹」にいる麹菌です。
麹菌は「日本の国菌」と呼ばれ、日本の発酵文化に欠かすことはできません。
この小さな菌たちが米の表面に住み着いて、酵素を作り出します。
その酵素が、でんぷんをブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸に分解…
つまり、麹菌そのものが味を作るというより、麹菌は「食材の中の栄養素を変身させる魔法の道具」と言えるのです。
玉ねぎ麹のうまみ成分
玉ねぎは、もともと独特の辛味と香りを持つ野菜。
でも、米麹と混ぜて発酵させると、その辛味がまろやかになり、ほんのり甘みが出てきます。
これは、酵素の働きによって玉ねぎの糖やたんぱく質が分解され、うま味成分が生まれるから。
とくに注目なのが、“うま味”の代表的な成分「グルタミン酸」。
このグルタミン酸の働きにより、玉ねぎの中のアミノ酸が増え、玉ねぎ麹独特のより濃厚で深い味わいに仕上がるのです。
小さな世界では微生物たちが大忙し

玉ねぎ麹を仕込んで冷蔵庫に入れておくと、1週間ほどで香りが変わってきます。
私たちの目に見えないところで微生物たちがせっせと働くことで、玉ねぎ特有の辛味が抜け、甘さと深みが出てくるのです。
麹菌が作った酵素が玉ねぎの細胞をほどよく壊し、栄養を分解。
その結果、玉ねぎはペースト状になり、塩が雑菌の繁殖を防ぎ、麹菌とその酵素たちの活動をサポートします。
玉ねぎ麹づくりで人間がするのはもはや、「材料を混ぜて待つ」だけ。
その間に、瓶の中では小さな命たちがせっせと働いて、私たちの食卓を支えてくれているのです。
発酵=腐る?の誤解
「発酵」と聞くと、「腐るのとどう違うの?」と思う人も多いかもしれません。
どちらも“微生物の働き”によるものですが、発酵は「人間にとって都合のよい変化」、腐敗は「不快で有害な変化」という違いがあります。
つまり、同じ微生物のしごとでも、どんな菌が働き、どんな成分を生み出すかで、その結果が変わるということ。
玉ねぎ麹は、人にとっておいしく、体にいい変化を生む“発酵”の代表格と言えます。
小さな微生物たちは私たちの目には見えないけれど、まるで料理人のように、素材の味を引き出し、重ね、豊かな味わいを作ってくれているのです。
「料理は化学」と言われることがありますが、玉ねぎ麹はまさにその象徴。
私たちはただ、食材を混ぜて少しだけ待つだけで、微生物たちが私たちに“おいしさ”というごほうびを届けてくれます。
玉ねぎ麹を冷蔵庫にストックして、ぜひ毎日のお料理に活用してみてくださいね。
商品紹介

米糀(国産米使用)1kg
近畿圏産のお米で作った米糀です。グラム単位からも販売可能です。お気軽にご相談ください。※生米糀ですので、冷蔵で2~3日、冷凍で2~3か月の日持ちとなります。お早めにご使用ください。

手づくり糀ぎょうさん 生みそ 500g
手作り米こうじ(国産米)・大豆北海道産鶴娘使用・手づくり糀と上質な大豆を使用しています。無添加で塩分控えめの天然仕込の生味噌です。甘みがあり、味噌汁だけでなく白身の魚や豚肉にからめ、炒めても美味しくお召し上がりいただけます。(塩分6%)