麹(こうじ)の種類

麹(こうじ)と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?

日本酒や味噌、醤油などの発酵食品に欠かせないものであることは多くの人が知っていると思いますが、実は麹にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や用途があるのです。

ここでは、麹の種類についてご説明します。

米麹 麦麹 玄米麹

麹(こうじ)の種類

麹(こうじ)とは、米や麦、大豆などの穀物にコウジカビというカビを繁殖させたものです。

コウジカビは、穀物のデンプンやタンパク質を分解する酵素を生産し、発酵に必要な糖やアミノ酸を生成します。

この酵素の働きを利用して、日本では古くから様々な発酵食品を作ってきました。

麹には大きく分けて2つの種類があります。

一つは、生または加熱した穀物を粉砕し、水で練って固めた後、カビを繁殖させて作る「餅麹」。
もう一つは、加熱(主に蒸す)した穀物にカビを繁殖させて作る「撒麹」です。

餅麹(もちこうじ)

餅麹は、中国や朝鮮半島など日本以外の東アジアで主に使われる方法です。

日本ではあまり馴染みがありませんが、インドネシアではラギと呼ばれる米の餅麹で甘いお菓子や飲み物を作ります。
また、ネパールではムルチャと呼ばれる米やトウモロコシの餅麹でチャンというお酒を作ります。
このように、東アジア各地で独自の発展を遂げた発酵文化があります。

撒麹(まきこうじ)

撒麹は、日本で主に使われる方法です。
米や麦などの穀物を蒸してからカビを撒き、カビの種類によって色や香りが異なります。

黄色や黄緑色のカビは黄麹菌と呼ばれ、日本酒や味噌、醤油などに使われます。
白色や茶色のカビは白麹菌と呼ばれ、焼酎などに使われます。
黒色や黒褐色のカビは黒麹菌と呼ばれ、泡盛などに使われます。
紅色のカビは紅麹菌と呼ばれ、中国では紅豆腐や紅米飯などに使われます。

撒麹は原料によっても種類があります。

米で作った麹(こうじ)は米麹と呼ばれ、日本では最も一般的な種類です。
米味噌や日本酒、みりんなどに使われ、栄養価が高く甘みが強い甘酒も米麹から作られます。甘酒は夏バテ防止や美容に効果があるとされ、最近では健康飲料として人気があります。

麦で作った麹は麦麹(むぎこうじ)。
麦味噌や焼酎などに使われ、麦麹は米麹よりも香ばしく、風味が豊かです。
九州では麦麹を使った麦味噌が多く作られており、甘辛くてコクのある味が特徴です。

また、大豆で作った麹は豆麹(まめこうじ)と呼ばれ、豆味噌などに使われます。
豆麹は米や麦よりもタンパク質が多く、栄養価が高いです。 中部地方では豆麹を使った豆味噌が多く作られており、濃厚で深い味が特徴です。

このように、麹にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や用途があります。

日本の食文化に欠かせない存在である麹は、私たちの健康や美容にも良い影響を与えてくれます。

ぜひ、自分の好みに合った麹を見つけて、美味しくて健康的な食生活を楽しみましょう。

種類によって異なる麹の栄養価

麹は種類によって栄養価が違います。
麹の種類は、麹菌の種類や原料の種類によって異なりますが、一般的には米麹、麦麹、豆麹の3種類があります。
それぞれに含まれる栄養素や効果は以下のようになります。

米麹(こめこうじ)

米を原料として作られる麹で、日本酒や甘酒、味噌などに使われます。
米麹には炭水化物やタンパク質、ビタミンB群などが豊富に含まれており、消化吸収を助けたり、疲労回復や美肌効果などが期待できます。

麦麹(むぎこうじ)

麦を原料として作られる麹で、焼酎や麦味噌などに使われます。
麦麹には食物繊維やミネラル、ビタミンEなどが含まれており、便秘改善や血圧降下、抗酸化作用などが期待できます。

豆麹(まめこうじ)

大豆を原料として作られる麹で、豆味噌などに使われます。
豆麹にはタンパク質や脂質、イソフラボンなどが含まれており、筋肉増強やコレステロール低下、女性ホルモンのバランス調整などが期待できます。

このように、麹の種類によって栄養価は違います。
それぞれの特徴を理解して、自分の目的や好みに合った麹を選んでみてくださいね。

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