麹(こうじ)の歴史
麹(こうじ)は日本の食文化に欠かせない存在です。
醤油や味噌、みりん、お酒などの発酵食品は、麹の力によって生まれています。
しかし、麹はいつから日本に伝わり、どのようにして発展してきたのでしょうか。
今回は、麹の歴史について紹介します。
麹(こうじ)の歴史
麹(こうじ)の起源は中国とされています。
紀元前から、米や麦などの穀物にカビを繁殖させて作った餅麹というものがありました。
これを水に浸して発酵させると、甘くて香りの良い飲み物となり、これが現在の中国酒の原型であると言われています。
この技術が東アジア圏に広まり、各地で独自の発展を遂げました。
日本では、弥生時代に米作りとともに餅麹が伝わったという説や、古墳時代に麹を使った酒造りが行われていたという説があります。
しかし、確実な記録として残っているのは、奈良時代の「播磨国風土記」です。
ここには、「乾飯がぬれてカビがはえ、これで酒を造った」という一文があります。これが日本で最初に記された麹の使用例とされています。
平安時代になると、木灰を使って種麹(たねこうじ)を作る方法が発見されました。
これにより、安定的な麹作りが可能になり、また、この頃から味噌や醤油などの調味料も作られるようになったと言われています。これらは当初は貴族や寺院などの特権的な食品でしたが、次第に庶民の食卓にも広まっていきました。
江戸時代に入ると、甘酒や塩麹(しおこうじ)などの家庭用の発酵食品が普及しました。
甘酒は夏バテ防止や栄養補給に効果があるとされ、甘酒屋が売り歩く姿が夏の風物詩となりました。
塩麹は肉や野菜を漬け込んで柔らかくしたり、味付けしたりする調味料として使われました。
明治時代以降、日本では西洋文化の影響を受けて食生活が多様化しました。
しかし、それでも日本人は醤油や味噌などの発酵調味料を愛用し続けました。
また、近年では健康志向や自然志向から、発酵食品への関心が高まっています。
2006年には日本醸造学会がコウジカビ(黄麹菌・黒麹菌・白麹菌)を「国菌」として認定しました。
今では、スーパーやネット通販で手軽に購入できるようになった麹(こうじ)。
しかしその歴史は古くから日本人の生活と共にあったのです。麹は日本人の知恵と技術の結晶であり、貴重な財産です。
これからも麹の力を活かして、美味しくて健康的な食生活を送りましょう。
「麹」と「糀」二つの漢字の由来
麹という漢字には、「麹」と「糀」の2種類があります。
どちらも読み方は“こうじ”ですが、この2つの漢字、一体何が違うのでしょうか?
「麹(こうじ)」と「糀(こうじ)」は、どちらも麹菌というカビを穀物に繁殖させた発酵食品。
しかし、漢字の由来や意味には少し違いがあるのです。
“麦”偏に米(粒)を勹(包む)と書く「麹(こうじ)」は中国から伝わりました。
かつての中国では、麹をつくるのに主に“麦”を用いており、“麹”という漢字は麦などの穀物の粒が麹菌によって包まれている様子を表しています。
「麹」は米・麦・豆などの穀物でつくられる、“こうじ”全般を指す場合に多く使われます。「麹」を使う日本の発酵食品はたくさんあり、味噌や醤油、日本酒や焼酎など、これらの食品を作る際には欠かすことのできないものです。
一方、“米”偏に花と書く「糀(こうじ)」は明治時代に日本で作られた国字です。
日本では麹をつくるのに主に“米”を用いており、米に花が咲いているように見えることからこの名前がつけられたと言われています。
「糀」は米でつくられる米こうじのみを指すときに多く使われます。「糀」は甘酒や塩こうじなどの発酵飲料や調味料に使われており、美容や健康にも非常に効果が高いと言われています。
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