醤油ができるまで

大豆と小麦と塩を主原料とした、日本の発酵調味料を代表する「醤油」。
醤油は、微生物による発酵によって造られ、完成までにかかる日数は種類によって様々ですが、半年から長いもので2年~3年を要します。
日本には各地に醤油メーカーが存在し、その歴史は長く、また各地方の食文化により発展した地域の特性を生かした醤油が存在します。

今回は、そんな「醤油」をピックアップ。

甘い醤油、とろみがあり濃厚な醤油など、私たちの食生活を支える醤油はいったいどのような方法で作られるのでしょうか。

醤油ができるまで

私たち日本人の食生活に深く関わり、日本食には欠かせない調味料「醤油」。
地域やメーカーによって作り方は様々ですが、一般的な醤油は以下の手順で作られます。

1.原料の処理

醤油の基本原料は「大豆、小麦、塩」。
大豆は蒸して、小麦は炒って砕きます。
元々硬い大豆を茹でて柔らかくすることで、微生物が醸して醤油独特の旨味へと変化しやすいようにします。

2.麹づくり

次に、麹菌を繁殖させて酵素を生み出します。
蒸した大豆と炒った小麦に種麹を加えて繁殖させ、麹菌が繁殖しやすい温度と湿度を管理しながら麹を作ります。
麹づくりは、温度が高すぎても低すぎてもだめ。
適度に人の手を入れながら、ほぐして空気を送り込むことで、ほどよい麹が出来上がります。

3.発酵・熟成

最も長く時間を要するのが発酵と熟成です。
最初のうちは水分の多い味噌のような見た目ですが、これを職人が撹拌することで、乳酸菌や酵母菌が大豆や小麦を醸す働きをサポート。
やがて麹菌が作り出した酵素の力によって、大豆のたんぱく質がアミノ酸に、小麦のでんぷんがぶどう糖に変化し、醤油独特の深い旨味や香ばしい香りの成分になっていきます。
熟成期間は、人工的に温度調節できる環境で6ヵ月程度、四季の温度変化にゆだねる場合で1~2年が目安です。

4.圧搾

麹と塩水を混ぜたものを諸味(もろみ)と呼びます。
この工程では、風呂敷に諸味入れて何層にも重ね、上から圧をかけることで醤油と搾り粕を分離させる作業を行います。
じっくりと時間をかけて搾っていく繊細な作業。
しばらくすると圧がかかった風呂敷から醤油のしずくが滴り始め、同時に醤油のよい香りが漂ってきます。

5.火入れ

搾った生揚醤油に熱を加え、醤油に風味を加える重要な作業。
火入れは、酵母菌や乳酸菌などの微生物を死滅させることで醤油の発酵を止め、また、醤油独特の色を整えたり、香ばしい香りをつける目的があります。

6.ビン詰め

余計な雑菌などが入らないように瓶詰めをし、ラベルを貼ったらついに完成。
機械による作業を行うメーカーもあれば、昔からの手法を受け継ぎ最初から最後まで手作業で行っているメーカーもあります。

このように醤油は様々な過程を経て、私たちの日々の食卓へとやってきます。
日本だけでなく、今や世界で親しまれ愛されている醤油。
欧米やアジア圏でも日本の醤油が使われるレシピが数多く存在しており、醤油はまさに「世界に誇る日本の宝」と言えますね。

日本の醤油の種類

日本には、地域や用途によって異なる多くの種類の醤油があります。

濃口醤油

最も一般的で、日本全国で使われており、醤油全体の約80%を占めると言われています。
大豆と小麦、塩、水が主な原料で、深い香ばしさと発酵由来の甘みや旨味が感じられます。

薄口醤油

関西地方を中心に使用されることが多い醤油。
色が薄いですが塩分は濃口醤油より高いことが特徴です。

たまり醤油

愛知県や中部地方を中心に生産される濃厚な醤油で、刺身や照り焼きに使われます。
他の醤油と比べて独特の風味と濃厚さが特徴。

白醤油

大豆より小麦が多く使われているため、色が薄く、味わいが上品で控えめになることが特徴。
素材の色を引き立て、見た目も鮮やかに仕上がるので、料亭料理や漬物にも使用されます。

日本の調味料の代表格「醤油」。
シンプルな調味料ですが、伝統的な製法、歴史、文化が詰まった、私たちの食生活には欠かせない存在です。
いつもの定番醤油だけではなく、たまには違った種類の醤油を試してみるのも良いですね。

商品紹介

泉州むらさき 150ml

濃厚な再仕込み醤油で芳醇な香りと上品な甘みが特徴です。お刺身・海鮮丼などに最適です。

糀(はな)しょうゆ 150ml

こだわりの生醤油に昔ながらの製法で作った米こうじを加え熟成させました。糀が醸し出すうまみとまろやかな甘みをご賞味下さい。

泉州うまくち 醤油 ペットボトル 500ml

甘口で、旨味の効いた醤油です。マイルドに仕上げています。当社の代表的な商品です。煮込み料理に最適です。

手作りぽん酢 300ml

当社の独自の手法でだしをとり、本醸造醤油と約30%の天然果汁(すだち、橙)を使用。

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