実は醤油って“生もの”だった!“生醤油”の正体

普段、何気なく使っている醤油。
お刺身につけるとき、煮物を仕上げるとき、当たり前のようにキッチンにあるその調味料を、“生もの”だと意識したことはあるでしょうか?

実は、醤油はれっきとした「発酵食品」。
そして近年話題になっている「生醤油(きじょうゆ)」は、加熱殺菌をしていない“本当に生きた”醤油のことを指します。

でも「普通の醤油と何が違うの?」「そもそも醤油って生きてるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
今回は、醤油が“生もの”である理由と、生醤油の魅力を探ってみましょう。

醤油は“発酵食品”だから生きている?

醤油は、大豆と小麦を原料に、麹菌、乳酸菌、酵母といった微生物の働きによって作られる発酵食品です。

原料に塩水を加えた「諸味(もろみ)」をじっくり熟成させ、搾った液体がいわゆる醤油のもと。
ここで生まれる味や香りは、発酵によって作られるさまざまな成分のおかげです。

つまり、醤油は“微生物の力”による贈り物ともいえます。

ただし、通常スーパーなどで売られている醤油は、瓶詰め前に火入れ(加熱殺菌)を行います。
これは品質を安定させ、発酵を止めるため。こうすることで常温保存ができるようになるのです。

「生醤油」とは何か?

では「生醤油(きじょうゆ)」とは何でしょうか?
生醤油=火入れをしていない醤油。
つまり、搾った醤油を加熱せずに瓶詰めした“生の状態”の醤油です。

火入れをしないため、麹菌や酵母が作った酵素や香りの成分が生きたまま。
そのため、普通の醤油よりも

  • 香りがフレッシュで華やか
  • 味わいがよりまろやか
  • 旨味がダイレクトに感じられる

といった特徴があります。

一方で、微生物が生きているということは、温度や環境によって風味が変わりやすいということでもあります。
そのため、基本的に冷蔵保存が必須。まさに“生もの”の扱いが必要な醤油です。

「生醤油」と「生(なま)しょうゆ」は違う?

ここでややこしいのが、スーパーなどで見かける「生(なま)しょうゆ」という表示。
これは「火入れはしていないけれど、ろ過や処理をして酵素の働きを止めてある醤油」を指すことが多いです。

つまり、
生醤油(きじょうゆ)=火入れも処理もしていない、本当に“生きた”醤油
生(なま)しょうゆ=火入れはしないが、安定させるための処理をしてある醤油
という違いがあります。

※ただしメーカーによって表記の使い分けは異なる場合があるので、ラベルをよく読むのがポイント。

生醤油、どう使えばいい?

生醤油はそのフレッシュな香りと旨味が魅力なので、まずは火を入れない料理で使うのがおすすめです。

お刺身やお寿司に

素材の味を引き立て、香りが立ちます。

冷や奴や納豆に

醤油そのものの甘みと旨味を感じられます。

卵かけごはんに

卵のまろやかさと、生醤油のフレッシュな味わいが相性抜群。

もちろん煮物や炒め物に使ってもいいのですが、加熱するとせっかくのフレッシュな香りが飛んでしまうので、仕上げにちょっとたらすような使い方がベストです。

生醤油を使うときの注意点

発酵が進んでしまうため、常温放置はNG。冷蔵庫で保存しましょう。
また、開封後は香りがどんどん変化するので、1〜2か月以内を目安とし、なるべく早く使い切ることが大切です。

鮮度が命の生醤油は、「ちょっと贅沢な調味料」という感覚で、特別な料理やシンプルな料理に使うとよりその美味しさが感じられます。


普段の醤油は便利で日持ちもしますが、“生醤油”にはその一滴に生きた発酵の香りと力が詰まっています。
調味料ひとつで料理は驚くほど変化!
日々の料理に、ちょっと特別な「生醤油」をプラスすることで、食卓の味も会話もぐっと豊かになるかもしれません。

醤油はただの黒い液体じゃない。
生きて、香って、味を作る“発酵のしずく”。
次に醤油を手に取るとき、そんなことを少し思い出してみてください。
きっと料理が、少しだけ楽しくなるはずです。

商品ページ

糀(はな)しょうゆ 150ml

こだわりの生醤油に昔ながらの製法で作った米こうじを加え熟成させました。糀が醸し出すうまみとまろやかな甘みをご賞味下さい。

泉州むらさき 150ml

濃厚な再仕込み醤油で芳醇な香りと上品な甘みが特徴です。お刺身・海鮮丼などに最適です。

泉州うまくち 醤油 ペットボトル 500ml

甘口で、旨味の効いた醤油です。マイルドに仕上げています。当社の代表的な商品です。煮込み料理に最適です。

じゃこ味噌

風味豊かなごま油でじゃこをカリっと炒め味噌を合わせた旨みたっぷりの食べるおかず味噌

新着情報

実は醤油って“生もの”だった!“生醤油”の正体

普段、何気なく使っている醤油。お刺身につけるとき、煮物を仕上げるとき、当たり前のようにキッチンにあるその調味料を、“生もの”だと意識したことはあるでしょうか? 実は、醤油はれっきとした「発酵食品」。そして近年話題になって […]

海外で注目の「MISO」と「うまみ」

「味噌」は日本古来の発酵調味料。蒸した大豆に麹菌と塩を加え、数か月~数年熟成することで、大豆タンパク質がアミノ酸に分解され、濃厚な旨みとコクを持つ「味噌」が生まれます。発酵によってプロバイオティクス成分を含むため、健康志 […]

玉ねぎの辛味成分はどう変化する?麹との化学反応のヒミツ

料理中に玉ねぎを刻んでいて、目がしみて思わず涙がぽろり…。あの“玉ねぎの辛さ”には、誰もが一度は泣かされたことがあるのではないでしょうか。でも、発酵調味料「玉ねぎ麹」に仕込んだ玉ねぎは、不思議とまろやか。あのツンとくる刺 […]

夏バテとにんにく麹のいい関係♪

夏本番。蒸し暑さに寝苦しさ、食欲減退…。そんな中「疲れが取れない」「体がだるい」それが夏バテです。とはいえ、毎年のことだからと放置していませんか?夏バテはただの“疲れ”ではなく、体内の調子を崩し、免疫も低下させる侮れない […]

お菓子にも? 醤油風味スイーツの世界

「えっ、スイーツに醤油!?」と、驚かれる方もいるかもしれません。でも実は、日本人の“舌”にしっかり馴染む「醤油風味のお菓子」は、昔からあちこちに存在しているのです。 みたらし団子や、煎餅のたれを思い出してみてください。甘 […]

にんにく麹の「摂取量」と「タイミング」

体にいいと話題の「にんにく麹」。料理の味付けに使える便利な調味料でありながら、健康や美容にも効果抜群いうことで、最近では健康志向の方々の間で密かなブームになっています。でも、「どのくらい食べればいいの?」「毎日食べても大 […]