お寿司と合う醤油はどれ?醤油と料理の絶妙な相性学
お刺身やお寿司を食べるとき、私たちは当たり前のように醤油を使います。
でも、「どんな醤油を使うか」で、味わいがぐっと変わることをご存知でしたか?
日本料理に欠かせない醤油には、実はたくさんの種類があります。
濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油など…
それぞれの風味や色、塩味には特徴があり、料理との相性も違います。
特にお寿司やお刺身のように素材の味を楽しむ料理では、「醤油の選び方」が味わいを大きく左右することに。
今回は、お寿司に合う醤油の選び方や、醤油と料理の相性についてご紹介します。
お寿司に「濃口醤油」が選ばれるワケ

お寿司に最も一般的に使われているのが「濃口醤油(こいくちしょうゆ)」です。
日本全国で約8割のシェアを誇り、色が濃く、うま味・甘み・塩味のバランスが取れているのが特徴。
お寿司屋さんで出される醤油の多くもこの濃口醤油です。
ではなぜ濃口が好まれるのか。
理由は、醤油の香りやコクが、魚の風味を引き立てながらも邪魔しないバランスの良さにあります。
また、程よく色づけされるので、見た目にも美しく、食欲をそそる効果も。
例えば、マグロやカンパチ、ブリなど脂ののった魚には、濃口醤油のキレのある塩味とうま味がぴったり。
さっぱりした白身魚や貝類にも、濃すぎず薄すぎず、ほどよい味付けになります。
「再仕込み醤油」って?
もうひとつ、お寿司好きの間で密かに人気なのが「再仕込み醤油(さいしこみしょうゆ)」と呼ばれる醤油。
これは、普通の醤油を仕込むときに使う食塩水の代わりに、すでにできあがった醤油を使って再び仕込むという製法で作られます。
味わいはとてもまろやかで濃厚、香りも甘く、色も深くとろりとしています。
トロやウニ、イクラなど、コクのある高級ネタと合わせると、その濃厚さが味に深みを加え、「特別な一貫」にふさわしい風格を醸します。
特に、醤油をネタに直接塗る“ヅケ”スタイルにすれば、味がまんべんなくなじみ、ネタの表面が艶やかに輝く見た目の美しさも演出できます。
素材を引き立てる名脇役「淡口醤油」
関西地方を中心に使われる「淡口醤油(うすくちしょうゆ)」も、お寿司との相性に優れた存在です。
名前に「うすい」とあるものの、実は塩分濃度は濃口醤油よりやや高め。
そのぶん、発酵を抑えた分だけ色や香りが控えめで、素材の色や香りを邪魔しないのが魅力です。
白身魚やエビ、貝類など、繊細な風味のネタに使えば、魚の持つ旨さを際立たせ、品のある一貫に。素材の“透明感”を活かすなら、淡口醤油という選択肢もアリです。
地域ごとに異なる寿司醤油文化

お寿司と醤油の関係を語る上で欠かせないのが地域性です。
たとえば九州では、刺身や寿司に「甘い醤油(甘露醤油)」を使うのが一般的。
とろみがあり、砂糖やみりんを加えて仕上げたその味は、まるで照り焼きソースのような甘さになります。
この甘い醤油と脂ののった魚との相性は抜群で、九州出身者の中には「他の地方の醤油では物足りない」と感じる人もいるほど。
また、愛知県のたまり醤油も独自性が光ります。
大豆を主原料にした濃厚で芳醇な味わいは、赤身の寿司ネタと相性が良く、「味の深さ」を求める方にはたまらない一品です。
「お寿司に合う醤油はこれが正解!」と言い切れないのが、醤油の奥深さであり、魅力でもあります。
魚の種類、シャリの酢加減、店の流儀、それらすべてが調和することで、「最高の一貫」が生まれます。
でも一つだけ確かなのは、「醤油を選ぶ楽しさ」を知ると、お寿司の味わいがぐんと広がるということ。
ぜひ次にお寿司を食べるときは、「このネタにはどんな醤油が合うかな?」と意識してみてください。
もしかすると、今まで味わったことのない「極上の一口」に出会えるかもしれません。
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